弓子とトリスとトリンキー。

早朝4:24。

弓子は眠れぬ夜を過ごした。少し瞼が重くなってきた時、カーテンの外から声が聞こえた。

「トリス、トリス〜」

弓子は耳を澄ました。
えぇ!!???鳥の会話が聞こえる。
日本語喋ってる!!!
これは夢?!

「トリス、暇なら話す?」
「いいよ。暇っつーか、こうみえても眠いから寝ようかしてたんだけど、別にいいよ。」
「トリス、寝ようかしてたんか?暇そうにしか見えなかったけど。」
「おれは目を開けて寝るタイプの鳥だ。」
「そうだったな、トリスは。久しぶりだからな。」
「ところで、何を話すんか?」
「うん。人間の飲み物でよ、フルーツミクチャなんとかってのがあるだろ?」
「フルーツミックスか?ジュースの方か?」
「あぁそれだ。それそれ。」
「フルーツミクチャって、お前可愛いな。」
「チュンチュン・・・」
「トリンキー、照れんなよ。可愛いって言われて照れてんのか?」
「チュンチュン・・チュン」
「トリンキーお前、照れると急に鳥の鳴き声みたいになんの、面白えな。」
「てゆうか、俺ら鳥だろ?」
「あぁそうだったな。」
「で、何だっけ?」
「ホーゥホウ ホーゥホウ〜」
「お前も、考える時、鳥みたいに鳴くのウケるわ。」
「鳥みたいって、俺ら鳥だろ?どっからどーみても。」
「そうだよな、鳥、だな。ウケるわ。」

弓子は、ウケるのはこっちだわ!と思い、冷蔵庫からフルーツミックスジュースのパックを取り出し、
ストローをさし、飲んだ。
 あの鳥たちも、フルーツミックスジュース飲みたいのかな?鳥は飛べて自由でいいなぁと思っていたけど、鳥は好きな時にフルーツミックスジュースを飲めないね。そもそも飲みたいのかどうかもわからないけど。さぁ、少し眠ろう。

「カーカー」

夕方でもないのに、カラス鳴いた?

あれ?今は夕方だったっけ?
ラスイチのフルーツミックスジュースは半分残ってる。

トリスたちにあげようか?
カラスにあげようか?

やっぱり、また続きの夢を見ようか。

弓子は再び、布団にもぐった。
弓子は夢の中でバサーバサーと羽を広げて飛び立った。

さて、弓子はいつ夢から醒めるのでしょうか。